J.J.Mortierジェ・ジェ・モルチェ
ジェ・ジェ・モルチェは1889年に創業したボルドーにあるネゴシアン（ワイン商）です。
創業者のルイ・モルチェ氏はシャトー・ラフィットのセラーマスターである一方、自身でもぶどう園を所有しジロンド農業協会の代表を務めるなど、ボルドーワイン界の中枢を担っていました。同氏が始めたビジネスを息子のジャン・ジュール・モルチェ氏が継承し、1996年からは5代目のジェローム・フォジェール氏が社長を務め、創業当時の人脈が受け継がれ、ボルドー地方の様々なシャトーと深い信頼関係がゆるぎなく続いています。
日本のワインマーケットの歴史を拓く先導者
1885年に創業した明治屋は、宮内省御用達制度が始まる前の1888年から宮内省にぶどう酒の納入を開始していました。そのような中で、欧州を出張していた宮内省官員の紹介により1908年にボルドーのワイン商ジェ・ジェ・モルチェとのビジネスをスタートしています。 当時の明治屋の取引先はボルドー市のポックウィッツ・ビーアマンというドイツ系商社であり、フランス商社を探していたところ、たまたまヨーロッパへ出張した宮内省の官員に推薦されたのがジェ・ジェ・モルチェを創業したルイ・モルチェ氏だったのでした。1924年に日本の皇族がシャトーを訪問したときの写真がジェ・ジェ・モルチェに遺されており、その関係性を物語っています。 両者は長い交流を通じて確固たるパートナーシップを築き、今なお、ジェ・ジェ・モルチェワインは明治屋を通じ宮内庁へ供給され続けております。
明治屋のグループの一員として
ジェ・ジェ・モルチェは、1981年に独立性を維持しながらレミー・マルタンの傘下に置かれました。そこでレミー・マルタンからの絶対的な支配を阻止するため、かねてからのパートナーであった明治屋がジェ・ジェ・モルチェを買収することを提案し、1989年10月1日に明治屋が親会社になりました。 かつて、ジェ・ジェ・モルチェワインはレミー・マルタングループが所有するブランドの一つとして扱われていましたが、明治屋がオーナーとなってからは事業内容の見直しを図り、従来の日本市場での顧客を継続しながら絶えることなく商品を供給できることになりました。
ボルドーの歴史ある名門ネゴシアンとして
ジェ・ジェ・モルチェはメーカーではなくネゴシアンであり、すなわち販売業を営んでおります。良い生産者を探し、販売先を獲得し、どこに畑があるのかを知り、コスパの良いワインを求め、在庫を確保して世界中に販売することが使命です。様々な機能を持ち、プリムールや格付けワインを販売するほか専売商品の取扱いも行っています。専売商品とは、生産者と交渉して契約量のワインを買付けて自ら瓶詰まで行って保管しているワインです。 プリムールビジネスについては、格付シャトーを含め個々のシャトーを訪問してオーナーと顔を合わせ、ジェ・ジェ・モルチェの状況を説明してアロケーションを獲得し、先物買いをして２年を経た後に市場に送り出しています。明治屋はボルドーに所有する子会社であるジェ・ジェ・モルチェが直接シャトーと取引をしているため、顧客からのリクエストが通りやすい環境にあります。グループの一員として明治屋と緊密に連携していることと、シャトーと直接取引できることがジェ・ジェ・モルチェの強みです。 また、世界的に有名なシャトーものの販売のほか、小さな生産者のポテンシャルの高いワインの発掘にも力を入れています。
ジェ・ジェ・モルチェのオリジナルワイン
日本でロングセラーの《ボルドールージュ》を始めとするオリジナルブランドワインも手掛けています。 一大名醸地ボルドーの数多くの有名シャトーワインをはじめ、フランス全域に亘る数々の素晴らしいワインを厳選し、責任と誇りをもって世界のワインマーケットに送り出す名門ネゴシアンのジェ・ジェ・モルチェは、いわばフランスワインの“目利き”です。 長い歴史を持つ老舗の強みを生かして開発したジェ・ジェ・モルチェのオリジナルブランドワインは、生産者との深い信頼関係、ボルドーワインのスペシャリストとして培われたブレンドのノウハウ、日本人好みのスタイルの高い理解など持てる英知の集大成です。
