スタッフのつぶやき
価値ある缶詰
そういえば志賀直哉の小説「暗夜行路」の一節に明治屋の名前が登場します。
下巻のどこかで、鳥取の大山に向かう主人公に対してその妻が「明治屋に行って缶詰でも送らせましょうか」というような台詞があったような気がします。
時を超えた小説の世界の中でわが身に至極近いものに遭遇するうれしさよ。どこまでも救いようがなく暗い話なのですが、心に一瞬灯がともりました。
小説の時代背景は明治から大正にかけての頃。自分探しのモラトリアムから抜け出せない高等遊民の主人公とその妻が所望する缶詰ですので、缶詰といえども当時は贅沢品だったのではないでしょうか。
《明治屋のおいしい缶詰》シリーズは令和のいまも贅沢品です。
1個600円とか700円くらいするものもあるんです。
缶詰1個で牛丼1.5個分食えてしまうがな・・・・というふうにいつもの癖でモノの価値を牛丼の値段に置き換えてしまうと缶詰が浮かばれず可哀そうな話になってしまいます。
ここはモノの価値を牛丼ではなく《明治屋のおいしい缶詰》1個分(600~700円)に置き換えてみましょう。
様々な原材料価格が高騰するいま、ラーメン1杯1000円超えは珍しいことではなくなってきました。
ラーメン1杯で《明治屋のおいしい缶詰》1.5個分!
ラーメン2回我慢すれば3個の贅沢が手に入ります。