スタッフのつぶやき
穴の功罪
酷暑の攻撃に抗戦する暑さ対策グッズが様々発売され、冷やして首に装着するリング状の物体が気になりまくったこの夏。
外観は樹脂のような素材で、内側には何らかの液体が注入され、冷凍庫で凍らせて使う首輪状の道具のことです。その形状が輪切りにしたちくわに見えてしまい、ちくわリングを首にした人とすれ違うたび、幻のちくわを見ていました。
年齢≒ちくわとの交際期間であり、引き続きお世話になると思いますが、ちくわとの思い出を振り返ってみました。
日持ちがして包丁いらずでそのまま食べられるちくわは、冷蔵庫に絶やさずストックされてきました。学校から帰ってきて夕食までの飢えをしのぐちくわ。お弁当のすき間を埋める胡瓜inちくわ。余ってしまった天ぷら衣の処理として磯部揚げにされるちくわ。外食して帰宅し、風呂上りにちょっと口寂しくなりマヨネーズを付けて冷蔵庫の前で立ち食いするちくわ。
ちくわと過ごした楽しい時間の一方で、じっと耐え抜いた思い出もあります。
母親が作ってくれる炒飯(主に土曜日の昼食)に、必ずちくわの輪切りが入っていました。有り合わせの材料で作る家の炒飯に、焼豚や海老などの贅沢食材が不使用であることは理解していましたが、輪切りなんですよ、ちくわが。輪切りだとちくわが入ってるって判っちゃうじゃないですか。ついでに言うと、いちょう切りの人参も欠かさず投入されていました。ちくわも人参も悪くないんです。食事を提供してくれる母親にも感謝してます。ただ、ちくわ達の絶大な自己主張に鼻白んで、心を無にして食していました。
自ら食事の支度ができるようになってから、炒飯にちくわも人参も投入することはありますが、小さなさいの目状にカットして存在感を薄めています。輪切りのちくわの呪縛から解き放たれて久しい令和の夏、そこかしこでちくわリングとの再会を果たすことは予想していませんでした。
さて、《ガロファロのペンネ》はいかがですか?太いから太ももなのという様に、ペンの形だからペンネなんだそうです。表面に刻まれた溝や穴の中にソースが満たされるからおいしさを逃しません。もちもちとした歯ごたえと絶大な存在感をお楽しみください。ペンネ、ちくわ、ドーナツ、ベーグル、バームクーヘン、パイン缶詰・・・穴の開いた食材は世界各地で愛されています。