スタッフのつぶやき
寿司とデジタル
コロナ禍が訪れてから回転寿司に行く機会が減りました。
様々な分野でデジタル化が進み、タッチパネル注文方式の飲食店が増えてきましたが、まだ対面での注文が可能な回転寿司店ってあるのでしょうか。
回転寿司は大好きなのですが、対面注文方式には随分と悩まされてきました。
お店側からすると、回転レーンに寿司が並んでいようが並んでなかろうが『食べたいものどんどん頼んでくださいね~』という親切設計なのでしょうが、これが結構な壁なんです。
口火を切るタイミングがつかめない。
勇気を振り絞って注文を口にしたとしても、声が届かずスルーされたらどうしよう。
もし注文の品が自分の前をスルーして他の客に届けられたとしても『それ、こっちのです!』なんて言えないよ。郷ひろみじゃなくても言えないよ。
ましてや目の前の寿司職人を『マスター!』と呼びつけるなど、例えばいきなり現れた訪問販売員が初対面の年配の方相手に、すなわち赤の他人に対して何のためらいもなく『お母さん(お父さん)』と声掛けするような悪徳の臭いと呵責の念に駆られる。
回転する皿だけで腹を満たせればいいのだが、“さび抜き”に関しては注文が不可欠なので、『すいません!タマゴをさび抜きでください』と勇気を振り絞って発声するも『タマゴはわさび入っていませんよ』と軽妙なタッチで返答される。お店の方から微笑ましいと言わんばかりの視線を送られ、その明け透けなやり取りにほのぼのした反応を示す周囲の客たち。
いや、そういうの要らないから。回転寿司に一体感なんか求めていないから。
誰もが暮らしやすい社会の実現にバリアフリー化の推進が求められています。
回転寿司店でのタッチパネル導入は、声の大きさに自信が無い方にも、羊のような虚弱心臓体質の方にも、大縄跳びの輪に入る時のようにタイミングを迷う方にも、1人にしておいてほしい方にも対応したバリアフリーの事例として更なる評価が期待されます。
握り寿司も良いですが、好みの具を用意してオリジナルの味わいを楽しむ自家製の手巻き寿司も素敵ですね。生もの以外も寿司ネタとして楽しめるのが手巻き寿司の醍醐味。コンビーフ、炙り帆立、炙りかき、とろ鮭ハラス、桜肉ユッケなど、《明治屋のおいしい缶詰シリーズ》は手巻き寿司にも活躍できそうです。