スタッフのつぶやき
寿司とテイクアウト
コロナ禍からテイクアウトを利用することを覚え、回転寿司店のネット注文を活用しています。店で食べるのと同じように単品での注文も可能で、受取時間を指定して決済した後は、受け取るだけ。便利な世の中になりました。
「テイクアウト」とか「デリバリー」などと洒脱な言い回しが存在しなかった頃、寿司職人が握った寿司を店外で食べる方法は出前注文でした。
まず、分厚い電話帳を広げて寿司店を探し電話をかける。
電話口では、品書きが存在せずビジュアルを確認することもできない。
注文は松竹梅いずれを何人前ずつか伝えることしかできない。
そもそも食べたいネタだけ単品で注文するという発想自体ない。
もし単品注文するにしてもネタの名前や姿が分からなければ注文できない。
受話器を置いた後は、岡持ちの到着までその場を離れることが出来ない。
食べ終えた後は寿司桶を玄関先に置かなければならない。
空の寿司桶が人目に付き、寿司の出前なんて豪勢だな、来客があったのかな、などと余計な詮索をされてしまうかも知れない。
とまあ、コスト、手間、知識、想像力、プライバシーと色々な点を考慮しなければならない寿司の出前のハードルが、デジタル化によりまるっと払拭され感謝しています。
ですが、絶賛モバイル注文対応中の寿司店のみなさま、ひとつだけ悩みを聞いてください。
持ち帰り容器についてです。一度に20~30貫注文すると、広く平らで野球場のような容器に入れて提供してくれます。目でも楽しめて豪華に感じますが、持ち運びが極めて不便なんです。生ものなので直行直帰が基本で、終始水平を保たなくてはならないし、寿司輸送中であることが露わにされてしまう。
国家的に立体交差事業が推進され、地域の生活環境や利便性向上など、住み良い社会の実現に寄与しております。寿司業界においても、5段重ねくらいに立体化させた持ち帰り容器を実現し、継続的な寿司活性化や寿司環境の改善を願っております。
さて、ふだん醤油で食べるお寿司やお刺身を塩で試してみませんか。オーストラリアのタスマニア島で生まれた《タスマンシーソルト》はアイデア次第で様々なお料理にお使いいただけます。海水由来のグルメソルトと海を知る魚の相性は言わずもがなであります。